診断の手順
B細胞系の異常
免疫不全診断のためのフローチャート
免疫グロブリン低下を主徴とする免疫不全:B細胞系の異常
T細胞系の異常
食細胞機能不全
1.問 診 | 感染症の頻度・重症度、家族歴、既往歴、投与薬剤の有無など |
2.診 察 | 口内炎や歯肉炎、肛門周囲膿瘍や臍炎などの皮膚化膿症を認めることが多い。
創傷治癒遅延を呈することもある。 |
3.検 査 | 一般血液検査(頻回の血算)、血清免疫グロブリン、補体、
自己抗体検査(抗好中球抗体を含む)、骨髄検査、微生物学的検査などを行う。 |
好中球の疾患を考えた場合には大きく二つに分けられる。
末梢血好中球数1500/μl以下 、特に500/μl以下 →
1.好中球減少症 |
・好中球減少症の主なもの
・)原発性好中球減少症
1.遺伝性
(1)先天性好中球減少症(congenital neutropenia : Kostmann 型)
(2) 周期性好中球減少症(cyclic neutropenia)
(3) 膵機能不全を伴う好中球減少症(Shwachman 症候群)
(4) 免疫不全を伴う好中球減少症
(5) 先天性代謝異常を伴う好中球減少症 : 糖原病・b型など
(6) チェディアクー東症候群
2.特発性
(1) 慢性良性好中球減少症(chronic benign neutropenia)
(2) Myelokathexis
・) 二次性好中球減少症
(1) 薬剤性
(2) 感染症に伴うもの
(3) 骨髄病症に伴うもの
(4) 免疫性
(5) 脾機能亢進症
(6) 放射線性
(7) 栄養性
(8) その他
原発性および特発性好中球減少症の鑑別(二次性好中球減少症は除外診断すること)
・骨髄像で成熟停止→前骨髄球→骨髄球での成熟停止→先天性好中球減少症
・好中球系細胞数は正常ないし増加、分節核好中球が少ない
↓
抗好中球付着抗体の測定陰性骨髄像以外の検索を進める
↓
陽 性
↓
新生児期発症、 乳幼児期発症
↓ ↓
同種免疫性好中球減少 慢性良性好中球減少症
↓
父母および患児の成熟好中球特異抗原の検索
父親の好中球に特異的に反応する同種抗体を母および患児血清中に検出
・好中球数の周期的変動→周期性好中球減少症
・低身長、先天性膵外分泌不全
(十二指腸液のアミラーゼ、トリプシン、リパーゼの著減ないし欠損)
metaphyseal chondrodysplasia、遊走能の低下
(agarose-plate法、Boyden法)
↓
Shwachman 症候群
・無もしくは低ガンマグロブリン
↓
血症免疫不全を伴う好中球減少症
(X連鎖性無ガンマグロブリン血症、高IgM症候群など)
・糖原病Ib型、有機酸異常症(イソ吉草酸血症、プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症)
↓
先天性代謝異常を伴う好中球減少症
・皮膚、毛髪、虹彩、網膜などの部分的白子症、日光過敏症、白血球内に巨大顆粒
↓
チェディアクー東症候群
・骨髄好中球で、核の過分葉、分糸の異常、細胞質内の空胞化を認める
↓
Myelokathexis
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その他→2.好中球の機能異常
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II.先天性好中球機能異常症の主なもの
(1) 慢性肉芽腫症
(2) 白血球粘着不全症I型
(3) 白血球粘着不全症II型
(4) 好中球G-6-PD欠損症
(5) ミエロペルオキシダーゼ欠損症
(6) 二次顆粒欠損症
(7) Shwachman症候群
先天性好中球機能異常症の鑑別
準備中
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